こんにちは、Tomです。
WCA大会「用賀B2022夏」に参加してきました。
今回の大会は僕にとって最初のWCA大会で、特別な大会でした。
初参加ということで書き残したいことがたくさんあり、長くなります。
自己紹介とか
あまり顔が広くないので軽い自己紹介から始めていきます。
2022年9月現在某大学大学院1年のTomといいます。
高校3年の春からキューブをはじめて6年目になります。
3×3から始めて4,5,6,7,sq,3BLDなどメジャーな種目をぼちぼちやっていましたがほとんどは引退しています。
現在は3とメガをやってて、3は10~12、メガは60前後です。
キューブを始めて1~2年ほど経っても、特別早い種目も取柄も無くキューバ―と会ったことも無く、田舎で一人静かに細々と続けていました。
sub14あたりで成長も止まり、ライバルもいないためモチベーションがあまりなく、引退するかしないかの境をしばらく彷徨ってました。
はじめてキューバ―に会ったのが2019年広島大会の前日オフでした。
広島大会はワケあって参加できませんでしたが、初めてのオフラインでの交流を十分に楽しみました。
このオフを境にキューブ界隈のワイワイガヤガヤに憧れて、オフ会や大会にどんどん参加しようと思い始めました。
キューブを続ける前向きな理由がはじめてできて、かなりモチベーションが上がってました。
しかし困ったことに丁度この時期から新型コロナウイルスの感染が日本でも確認され、僕のキューブ界隈進出をピンポイントで邪魔するかのように広がっていきました。
遂に自分もキューブ界に参戦した実感(勘違い)があったのに...
コロナ禍3年の空白では何度も「広島大会に無理してでも参加すればよかった」と後悔してました。
まあいろいろあって3年耐えました。(かなり省略)
2022年に入って僕はメガミンクスにハマっていたので(いつ開催されるか検討もつかない)3とメガを含む大会を初参加にしようと決めました。
遠征するなら複数種目出ないともったいないので。お金も無いし。
みなとみらい、大田を横目にメガを含む大会を待ちました。
結果、予想よりはるかに早く用賀大会が告知されました!
絶対にこの大会を最初の大会にすると決めました。
「申し込み戦争」という単語は知っていたので、申し込み当日は当然PC前で待機。
2分以内に定員オーバー、と予想を超える勢いでしたが無事申し込み予選通過!
遂に僕の大会初参加が確実になりました。
長くなりましたがここまでが今回の大会参加に至った経緯です。
とにかく機会に恵まれない6年間でしたと。
(大部分は自分から進んでオフライン交流の場に出なかったのが原因だけど、僕は臆病なので最低限の繋がりが無いと遠征には踏み切れない)
では東京遠征行ってまいります。
ココから本題
2022/8/26 東京ソロ遠征初日
はじめての夜行バス、安いバスだったからか体が痛くて寝られない12時間の旅。
カーテンが閉まって外が見れない、キューブも回せない、ただ静かに我慢する、拷問でした。
2022/8/27 池袋オフ当日
夜行バスなんとか耐えました...
シャワーを済ませた後、新宿から山手線で池袋に移動してタニさんとマックで合流しました。
その後コメダに移動してうえしゅうさん、幸地さんと合流してランチ。
メガerの幸地さんとはタイム帯も少し近いからずっと会ってみたかった。会えてよかった!
池袋オフ会場に到着、主催者のツチダさんに挨拶し会場設営のお手伝い。
(オフ会に申し込みそびれて困っていた僕を拾ってくれたツチダさん、本当にありがとうございました!)
計測会用の競技卓が5個もあり、全部にタイマーディスプレイがあってすごかった。
交流では互いに顔は知らないけど存在は知ってる人と多くのはじめましてを交わすことができました。
特にメガerにはじめましての方が多く、メガに関しても沢山交流できました。
さむさんにはじめて会った時「うおお!とむくんだー!」って言って熱く握手してくれたの素直に嬉しかった〜
続いて計測のお時間です。
計測競技参加者の多さに「これほんとに捌けるのか」と思ってましたが、システムが洗練されていて一切の滞りなく超スムーズに計測と集計が進み、オフ会運営のレベルの高さにとにかく驚かされました。
計測会の新システムについてはツチダさんのこちらの記事から。
note.com
計測では3×3とメガ回しました。
3×3は完全に記憶が無いです。
(14.18 13.77 13.45 9.17 9.94 = 12.39 らしい)
メガ計測ではNR保持者のらいひーさんとペアで計測しました。
やっぱり上級者はペアリングにかける手数と持ち替え回数が少なくて正確でした。
あと、やってることは全然普通で僕でも理解できるソルブなのに、自分の半分くらいのタイムで揃うので基礎力の重要性に気付かされました。
メガ計測結果です。(目標は平均sub60)
今の僕には上出来すぎるタイムでした!(これが大会で出せたらな〜)
平均は53.46。幸地さんに0.16差で負けた!熱い接戦!
幸地さん単発平均人生PB出してて強かった。。。
らいひーさんをはじめ、沢山のメガerから計測と交流を通して色んなアドバイスをもらいました!
LL以外はsub60程度でも上級者のソルブが普通に参考にできるメガ、かなり面白い。
つよつよメンツの揃う池袋オフ、非常に楽しめました。
楽しいオフ会を終えて2次会で居酒屋へ。
4時間ほど滞在しましたが、多分2時間くらいはうえしゅうさんとZBLLで議論してました。(楽しい!)
オフ会外でのキューバーとの交流すごく好き。
オフを通して、自分もだいぶ話せる人増えたなーなんて考えてた1日でした。
明日は遂に大会、わくわく。
2022/8/28 用賀B大会当日
夜行バスの疲れもあってよく眠れました。
少し早く大会会場に着いたので、(何をすればいいのか分からないけど)流れにのって会場設営のお手伝いをしました。
受付を済ませて開会を待ちます。
テキトーに座ってましたが面識のあるキューバーも結構居たので安心して開会を待てました。
開会式が終わり、遂に始まりました初大会!
流れは知ってるつもりでしたが、ちゃんと初心者レクチャーに参加して曖昧な部分を質問してきました。
僕は3×3、メガにエントリーしてました。
先輩キューバーの助言を参考に、午前の3×3予選で競技卓の雰囲気を経験して午後のメガ(本命)に臨もうと決めました。
今大会の目標
3×3 → 単発sub10を出す、zbllをキメる
メガ → 単発sub60、できれば平均sub60
3×3は目標設定はしたものの正直やる気がなく予選通過ラインすら知らない程で、メガのための消化試合のつもりでした。
初参加だったためスクランブラやジャッジの仕事はなく待ち時間は暇なはずでしたが、気になる人の試技を見たり、初めましての方と挨拶したり、オフ会のようにワイワイ話しながら回したり、互いの知識と技術で議論しあったりと楽しく過ごせました。
今回の交流部門ではタニさんとRouxについて、EOを意識したCMLLの議論できたのが一番盛り上がって楽しかった!F2B講座もレベル高くて楽しかった。
そろそろ試技内容に移ります。
3×3 Round 1
Avg 5 = 11.64
12.85 (10.33) 11.22 (17.27) 10.86
はじめてのソルブは酷い有様でしたが、最初から良いタイム出してプレッシャーに負けて結果ズタボロになるよりは断然マシです。そもそも消化試合なので単発sub11が出ただけで十分でした。
最近3×3サボってたので、平均sub12は良くも悪くもない普通のタイムで安心感がありますね。
1回戦が終わった後はもうずっとメガを回してました。しばらくして予選通過を知りましたw
3×3、2回戦のキューブ提出がコールされました。
提出する時、滑って提出用キューブをゴミ袋にシュートしちゃいましたw
みんなが笑ってくれたので結果良かった。
3×3 Round 2
Avg 5 = 10.23
11.43 (13.45) 9.62 9.64 (9.11)
youtu.be
2回戦の直前、偶然らいひーさんの「クロスゆっくり回して〜〜すればsub10は出る」的な声が聞こえたので意識してみました。
1,2試技目は全然上手くいきませんでしたが3,4,5ですんごい上振れました!
やっぱゴリ押しコミュテーターApermだよな〜
普段の計測会では、3,4試技目でsub10出して5試技目ボロボロがテンプレ化してたので単発ベストが5試技目に出るのは強い!ナイス!満足!
トム「あは〜もう帰っても良い!」
ノム「ほんとに帰っていいんですか?」
トム「そうだ!メガしにきたんだわ!」
なんとなく平均sub10くらいが決勝ラインかと思ってたので、切り替えてメガを回していました。(この時まだ平均計算してなくて10.5〜10.8くらいだと思ってた)
しばらくしてWCA Live見てみると、僕の名前の横が緑色になってました。
(他の参加者の名前がズラリと載っているため写真は載せないでおきます)
まさかまさかの12位通過で決勝進出です!
11位 〇〇 10.22
12位 Tom 10.23
13位 〇〇 10.24
14位 〇〇 10.24
0.01秒差での通過争いを自分が体験して、更に通過する側になってひたすら驚きです。
ほんとに0.01の争いってあるんですね...
ここまでの偶然に感謝して、二度と立てないかもしれない決勝の場を楽しもうと思いました。
それはさておき次はメガです。
「普段通りに回せばsub60は出るさ」と言い聞かせて、まずは楽しむことを一つ目標にしました。
キューブ提出の際「またキューブ捨てんようにw」と揶揄われました〜
(こーゆーのが好きなんだわ〜)
6つの競技卓に対して参加者13人。
僕は最後の競技者らしく、待機席で1人さみしく待ってました。
60秒で解くとしてもスクランブルや何やらで、5試技で10分近くかかるので待機時間がすごく長く感じましたね。
待機席ではかなり緊張していましたが、ズエさんが緊張してるねと話しかけてくれて少し楽になりました。
全員同じスクランブルだから会場の中で僕だけ競技卓を見れなくて、おかげでムズムズしてやたら緊張したんですよー。
呼ばれました。ジャッジはsq1NRの高岡誠さん。
最近偶然にも誠さんの5のソルブ動画めっちゃ見てて「本物だ!NR持ち、トリボSCTにジャッジしてもらえるの!?」と内心焦ってちょー緊張しました。
ここまで緊張しかしてない...
Megaminx Final Round
Avg 5 = 1:02.50
1:05.94 (1:12.04) 1:02.91 58.64 (53.85)
「今まで何やってきたんだ ?」
率直な感想です。
1試技目 1:05.94
「スタートダッシュが大事、ここで適度なタイム(59とか)が出ればきっとsub60は続くはず。」の気持ちで挑みました。
が、1手目から現実見せられました。
指が動かない。パーツが見つからない。
普段との違いに焦りを感じながらなんとかLLへ。
偶然知っているPLLを引いて回すも別のPLLが出現しました。(鏡手順回してしまったぽい)
over65は普段の練習においては、普通に悪いタイムだったのでマジメにショックでした。
2試技目 (1:12.04)
「帰りたい」それだけです。
ソルブの内容は記憶にないです。
S2Lのラストスロット時点でタイマーを見てover60が表示されてた時の圧倒的虚無感だけは覚えてます。
ソルブ後、1試技目のover65がカウントされるのかと考えて、泣きそうになってました。
家では滅多にカウントしないのに。
3試技目 1:02.91
この辺りが一番辛かった。
ソルブ中、メガを投げてぶっ壊したかった。
3×3で10回ソルブしてメガでもう3試技目なのにまだ上手く回せないのか、と悲しくなってました。
4試技目 58.64
「だからなんなんだ」これに尽きます。
一旦の目標をクリアしたのに全く嬉しくないことってあるんですね。
5試技目 (53.85)
もうどんなタイム出そうと平均sub60は不可能と分かり、泣きそうでした。
でも最後のソルブは少し切り替えて優しく解きました。
単発ベストでしたがやっぱり全然嬉しくなかったです。
僕のメガミンクスデビュー戦は何一つ満足いかない惨敗に終わりました。
計測を終えて、色々考えました。
・普段の3×3より集中して取り組んだ競技
・数年ぶりのメガの大会
・後にも先にもこの5試技だけ
このあたりの思い入れやプレッシャーから緊張して何もかも上手くいかなかったんだと考えました。
そして大会初心者であり、大会でのキューブの回し方を知らなかったことも原因であり課題です。
大会でのキューブの回し方を知っている人はしっかり記録を残してました。
まっしゅさんは数年ぶりの大会でたった5試技の内に人生PBを出し、らみさんは前日の池袋オフでまさかの僕より遅い平均を出して凹んでいたにも関わらず、大会では単発平均共にPR更新して優勝しました。
確実に記録を残す人から学べることは沢山ありそうです。
僕だけでなく、ノムノム君や幸地さん、他数名のメガ参加者も振るわない結果だったようで大会の怖さを知りました。
マイナスな雰囲気の文章がしばらく続いてしまいました。切り替えていきましょ
最後に3×3決勝です。
相手は大会でもsub10当たり前のつよつよメンツです。
勝とうなんて1ミリも考えませんでした。
「自分らしいソルブをして気持ちよく終わろう」の気持ちで挑みました。
マイクで僕の名前が呼ばれました。(初知りのシステム!驚いた!)
3×3 Final Round
Avg 5 = 14.87
(8.87) 15.99 (16.01) 13.92 14.71
笑いが止まりませんでしたね~もちろん12位ですw
まっしゅさん「2試技目から急に中級者になったw」
1試技目は落ち着いて回せて、割とスムーズなF2Lを終えてZBLLが出現!
Ucase2GLLのまあ簡単なヤツ、回せました!
AUFを予習してなかったため少しロスしましたがまさかの単発sub9!これは良い!楽しい!!
この瞬間のためにキューブ回してきた!!
youtu.be
残りのソルブの内容には触れないでおきます。。。
もう決勝に進んだことが恥ずかしくてしょうがないです。
でもZBLL結構頑張ってきたので、本番で使えたこと、使った上で単発PRが出せたこと本当に嬉しかったです。
みんなもZBLLをどんどん履修しよう〜
3×3が終わり、観客席に戻って結果を報告しました。
「1試技目zbllでsub9!次16,16,14,15でしたw」
みんな大爆笑でした!結果オーライ!
全ての試技が終了しました。
表彰式は素晴らしいメンバーが揃っていました。
いつか自分も表彰されたいけど、あと何年かかることやら。
表彰式の後はさむさんとらいひーさんによるアジア大会の報告会、そして閉会式。
会場の片付けのお手伝いをしてそれぞれの2次会へ向け解散しました。
こうして僕のデビュー戦、用賀B2022夏が終わりました!
大変お疲れさまでした~
気づきと感想!
キューブ歴ばっかり積んだヒヨっこキューバ―が大会に初参加して感じたことをサッと残していきますー
まずは本大会の企画運営を進めてくださった実行委員の方々、本当にありがとうございました!的確な指示とアナウンスのおかげでトラブルなく予定通りに競技が進んで素晴らしい大会でした。
競技者としての気づき
池袋オフと用賀大会を通して、まだまだ手の届かない上級者と実際に沢山話すことができましたが、まずは圧倒的知識量の違いを感じました。
早い人上手い人はとにかく何でも知ってますね、勝てない。
あと、経験の違いですね。間違いない。
先にも書いたように実力通りのタイムを出すには「競技卓での回し方を知っている」ことが重要だと感じました。
自分も実際に競技卓で回してみて「使うべきでない指使いや手順」が明らかになり、大会が終わった今は「大会を意識した指使いの取捨選択」を真面目に考えるようになりました。
それから、僕のタイム帯くらいならTPSよりも「インスペクションタイムの有効活用・先読み・ノンストップ」を確実に行う方がずっと早いことも分かりました。
知ってるつもりでしたが今回しっかり実感しました。
競技者として(当たり前なことばっかですが)いろんな気づき、収穫がありました。
今後は経験を生かしたムーブができるようにしたい!
初参加者から見た大会の感想
運営の方々や何度も大会に参加している人の姿を見て、公平性に対する意識の違いに驚きました。
スクランブルされたキューブが見える状態にしている場面を注意したり、競技を終えた人が解法について喋ろうとした場面(まだ競技卓では同じスクランブルで競技をしている)で横から止めたりするなど、競技者として確実に公平性を持たせて大会に臨んでいる意識の高さに驚かされました。
大会会場について、雰囲気は静かで参加者全員競技者のソルブにくぎ付け状態なのかと思ってましたが、思ってたよりオフ会と差がなくワイワイした雰囲気なんですね~
あ、大会を楽しむにあたり、ある程度の知り合いの輪をオフ会で広げることができていてよかったと思いました。僕に知り合いナシ状態でのいきなり大会参加は大変だったと思います。わいわい話すことで救われた場面がたくさんありました!
あと、話してみたい人には話しかけるべきだと思いました。大会は普段オフ会でもなかなか会えない人やNR保持者が簡単に集まるので絶好のチャンスですね。
キューブ界は思ってるよりずっと狭いようで。会場内の人ほとんど知ってる人だったり、めっちゃ有名なキューバ―でも僕のこと知っててくれてたりで驚きです。
日本にいる間にもっとキューバ―の輪を広げないと。
最後に、大会は思ってたよりずっと、すっごく楽しかったです。
オフ会とは違うドラマがあり、リアルタイムで公式に競える貴重な場なので新鮮でした。
遂にWCAIDも取得して確かな公式記録を持った競技者になりました。
この記録はつまりいい記録ではありませんが、より良い記録を目指して頑張っていこうと思う強いモチベーションになりました。
僕のスタンスは「楽しめる範囲で」なので、人生をコストにPBを召喚する化け物ムーブはできませんが、更に強くなって更に楽しめるようぼちぼちキューブ続けていこうと思いました!
ありがとう用賀B!
ばーい。